素肌のままカーペットの上に座っている。
それまで妄想の中にあったことが、ひとつづつ体現していく、
すべてが始まりに向けて動き出していることを
強く感じているのだろう。
頭に手を添えて引き寄せ、唇の温度が感じられるくらいに近づくと
舌を伸ばして、キスをせがんでくる。
滑らかで柔らかい光をたたえ細かく震えている
ピンク色の小さな塊。
舌先で舌先に触れる。
すぐにぐっと舌を伸ばすようなしぐさを見せる。
もっと触れて欲しいという想いからか口を広げ
伸ばした舌が空をまさぐり、言葉が漏れる。
キスしたがっている。
「聞こえない」 と応じ、耳を口元に近づける。
言葉にならない吐息が漏れ、
近づけた耳にむしゃぶりついてくる。
耳に直接響いてくる、びちゃびちゃという音、
舌の動きが伝えてくる、のたうちまわるような欲情。
ほどなくして、舌の動きが止まる。
もう耳を舐めているだけでは満たされない。
もっと欲しいのだ。
髪の毛をわしづかみにして、ぐっと首を引き下げ、
上向きになった顔、口元を見下ろす。
その口元に、唾液をたらす。
糸を引きながら、唾液は口元に滴り落ちる。
舌を伸ばして無心に舐めとっている。
じっと見下ろしていると、つぶっていた目がうっすらと開く。
その瞬間
その行為、一部始終を見つめられていたこと、
涎をたらされ、自らの舌で舐めとっていた、その一部始終を
じっと見つめられていたことを実感したことが見て取れる。
羞恥、悦び、がないまぜになって、身体を突き抜けていくのが
はっきりと伝わってくる。
背筋から力が抜けて、もはや、すわったままでいることすら
できないくらい身体が溶け、欲情している。
触れることもぜず、ただ見ているだけで、
所有されていることをじんわりと染み込ませ、
溢れんばかりに満たしていく。
いやぁ・・・せめて薬になればと思って
書いているのですが(笑
今後ともどうぞよろしくお願いします。