居心地のいい部屋
落とした暖色系の照明の中で、右手と右足、左手と左足に絡みついている真新しい鎖は鈍く輝き、もじもじと動く度に、カチャカチャと音を立てる。
床に横たわったその身体を見下ろし、張り詰めた空気を楽しむ。
従者は、どんな想いをもって、自分を見上げているのだろうか・・・
爪先で身体の曲線をなぞられ、見下ろされている。
触れて欲しい。溢れ、溶け合いたい。
好きにして欲しい…壊して悦んで欲しい…
それこそが自らの悦びだと訴えかける。
見下ろす冷たい視線のなかに、一瞬、熱い光を見出す。
伝わったのだ。
もっと伝えたい。
閉じることができない脚の間、ごく近くに立っている足。
あと少し動かして、触れて欲しい。
掻き回して欲しい。
拘束された身体を、それでもなんとか動かし、足に近付いていく。
あと少し・・・
触れた。
電流が流れる。
深く長い吐息。
触れたところにわずかに力が加わる。
すべてが伝わっていることを、実感する。
悦びで、細かく痙攣する。もう止められない。
足の甲から弁慶の泣き所にこすりつけていく。
身体にじっくり染み込ませる様に、少し動かしては達して、
また達したくて動かしてしまう。
自らの意志では抑えきれない衝動。
自分の身体とは思えない。
粘膜から溢れだす透き通った液体が、触れている部分を密着させ、
湿り気のあるかすかな音をたて、甘い香りを立ち上らせている。