東京では雪の週末
土曜日の朝に雪が降り積もる様子をみていると
辺りは全くの静寂のようでいてそうではないのに気が付く。
雪の結晶が舞い落ちてきては、一粒一粒、ちりちり、からからと
積もっていく音が聞こえるようだ。
小さな結晶が、滑らかな白い雪面に絶え間なく刺激を与える
静かに与えられつづける小さな刺激
肌に浮き立つ産毛の先をを爪でそっとなぞったり
火照った身体に氷の角をそっと触れさせたり
白い肌に点々と垂らす赤い蝋であったり
ひとつひとつは、ごくわずかな接点で、ごく小さな刺激でも
時間をかけて、それが積もり積もっていくことによって
やがて臨界点を超える。
そのようにして迎えた情況は、先が尖った一時的なピークではなくて。
満ち満ちたものが溢れ出すように登りつめ、覚めることを知らない
圧倒的な充足感があるのではないだろうか。